内容は「お仕置き」だった。
このメールのやり取りの間、飼い主様は幾度となく「露出散歩をさせたいなぁ・・」「誰かに顔射(輪姦)されるハルが見たい」と
僕にメールを下さった。
でもそれは一つの希望で・・そうあればいいなぁ。(現実は難しいけど)
という範疇を出ないものだと思っていた。
それに一人で露出するには相当の勇気と覚悟がいる。
飼い主様の肉の玩具でありながら・・まだその決心がつかないでいた。
しかし・・
今回は違う。
「勝手にクリペニに輪ゴムをしたお仕置きだよ。深夜の露出散歩を命じる。」
とうとう命令になってしまったのだ。
さすがに動揺した。
というのも今まで露出はほとんど経験がない。
ましてや、飼い主様が側に居て・・という話でもない。
ハルが一人で実行して来なければならないのだ。
戸惑いは大きい。
「ハルは飼い主様の命令には絶対服従の性処理精液家畜です!」
ネット上の会話でもメールでも・・リアルでも何度も何度もそう誓った。
「命令に逆らったり、飼い主様の気分を害した時は厳しい罰をお願いします!」
家畜の勝手な行動への「罰」は当然だ。
どうしよう・・と思う反面、心はもう「お仕置き」をお受けする準備に取り掛かる。
覚悟をするだけ。飼い主様に許していただきたい・・その気持ちを行動へ移すだけ・・・
もう人間に戻らなくてもいいんじゃなかったのか?
どこまでも狂って壊されたいんじゃなかったのか?
飼い主様の命令には絶対服従じゃなかったのか?
飼い主様に喜んでいただくなら何でもする肉の玩具じゃなかったのか?
躊躇はした。
でも、覚悟も同時に固まった。
「はい・・・。露出散歩の命令ありがとうございます。」
気づくとそうメールを打っていた。
「では露出予告の掲示板へ書き込みをしなさい。」
指定されたサイトの掲示板へ書き込みを行う。
慎重に下見を重ね、広くて大きい近くの公園を選んだ。
「犯されたいんだろう?犯してもらいなさい。」
「喜べ!人間の精子だぞ。」
飼い主様の言葉を受け、公園の公衆トイレの場所も確認した。
言われるがままにフリーメールのアドレスを取り、飼い主様にもメールの内容が見ていただけるようにパスワードを送る。
これで完全に僕は飼い主様の「罰」から逃げられなくなった。
誤魔化しもきかない。
本当の本当に「露出散歩」を行わなくてはならない。
どんどんと決まる覚悟。
そしてがっちりと鎖で縛られていく・・心。支配される喜び。
何度も何度もシュミレーションをし、覚悟を決めてもまだ残る恐怖心と闘いながら・・・他の書き込みを参考にして「露出予告」の
書き込みを行う。
キーボードをたたく指が震えた。
書き込みが終わり、「書きこみをしました」と報告のメールを打つ。
露出用に飼い主様に指示された服を準備し、化粧道具をがさがさと探った。
落ち着かない・・何かしていないと・・・実際に動き始めたのだ「露出散歩」というお仕置きが・・・・
自分が書きこんだパソコンの文字を見る。
きっとここを見ている人は、どんな淫乱で低能な奴だろう・・と僕を見てるだろう。
「おチンポの事しか頭にない発情家畜」
早朝の公園でオナニーを見てほしい・・・なんて。
ぐちょぐちょの前穴とビンビンに勃起したクリペニを見られて・・・
そこからトイレに連れ込まれて・・
おチンポ様にお口でご奉仕?それとも・・・・・・
本当に犯される?
しばらくすると飼い主様からメールが届く。
「早速メールが届いているよ。」
フリーメールを開くと・・
そこにはびっしりと場所のヒントを欲しがるおチンポ様が・・・・
予想よりもはるかに多い数。
卒倒しそうになる。
覚悟が揺らいで、恐怖心がまた顔をのぞかせる。
しかし、全ては飼い主様の手の中。
僕は必死で場所のヒントを告げるメールを打ち始めた。
どうしよう・・どうしよう・・・・どうしよう・・・・
「やめるのか?」
飼い主様のメールに
「いいえ。やります!!やらせて下さい。」
と返事を返す僕。
目ざましをセットした時刻は3時50分。
起きだして、ごそごそと用意した服に着替え女装を始める。
最近の僕は女装をすると「男の人ですよね?」と必ず言われるようになった。
だから化粧は中途半端じゃいけない。少し濃い目に・・でも濃くすることでどんどん淫乱を絵に描いたような顔になる。
はぁ・・・
準備するだけで前穴からジュルジュルと音がする。
果たしてメールを返した中の何人のおチンポ様が公園にいらっしゃるのか・・・
前穴にローターを仕込み、いつもの飼い主様のお言葉の横にマジックで「お仕置き中」と書き加えた。
時計を見ると4時30分・・・
露出は4時から5時かで行うと書き込みをした。
ここから歩いて8分ほどの道のり・・公園に居る時間は約20分。
慌てて家を飛び出る。
急がなくちゃ・・飼い主様にいい報告ができない。
はぁ・・・
早朝の公園に似つかわしくない・・こんな格好。
誰が見てもおかしな人だと思われる格好。
見つけて下さいって言ってるようなもの。
はぁ・・・
外に出るとかなり明るい。
この辺りで今回は半分失敗だった事を悟る。
それに運も味方しない。
真夜中に降った雨でアスファルトが濡れている。
これではオナニーで座ろうと思っていたベンチも雨で濡れているに違いない。
はぁ・・・
8分の道のりが遠い。
はぁ・・
公園に着くと、入口にワゴンが止めてある。
中には5人の男性が公園をじっと見据えて座っている。
あああああ・・・
まさか・・・僕を探してる?
そんな事・・・・ないよね?
はぁ・・・・
そんな事・・・
おそるおそるワゴンの横をすり抜け、早足で公園の中へ。
声をかけられる事もなかったし、とりあえずあのワゴンは違うよう。
ふう・・・
一息つくと飼い主様からのメールが・・・
「どうだ?」
あの・・まだ・・・誰にも・・・
「そうか。報告楽しみにしてる。」
それだけのメールだったが、僕は酷く安心した。
まさか、この時間に飼い主様が起きて下さってるとは思っていなかったのだ。
リアルではないけれど、側に居らっしゃる感覚。
ああああああ・・・・っ!!!
確かに飼っていただいてる実感。幸せな幸せな家畜。
それだけで思わず涙ぐみ、なんとしてでも飼い主様を喜ばせたい!と公園をウロつくのだが・・
やはりベンチはどこも雨で濡れていて座れそうもない。
それに早朝のこの時間、グラウンドを備えた公園内はジョギングをする人たちが沢山いて、ひっきりなしに僕の目の前を通りすぎて
いく。
見渡しても掲示板を見て来ているようなそれらしき人影もない。
うううう・・・・
残念だが仕方がない。
これ以上の時間ここに居ては、今度は自分の仕事に間に合わない。
落胆と安堵。
お仕置きを遂行できなかった悔しさ。
次の「お仕置き」への覚悟。
色んなものが渦巻いて・・
僕は早朝のアスファルトの上を重い足取りで帰っていった。