助手席のそこにご主人様の服が置いてあった。
着替えようと、持ってらした服であることは一目瞭然だったけど
家畜はそれだけでたまらなくなり
その服の山にダイブしたい衝動を抑えるのに必死だった。
ご主人様の横でその服をすーっと取り上げて、自分の膝に置き座ると
「匂いを嗅ぎたいんじゃないのか?」
と図星で指摘をされた。
そう本当は被って一日中吸い込んでいたい。
ご主人様の匂い。
「はい…ああああ…嗅ぎたいですう…」
うーんんーーーーうーーーーーーんーーーーんーーーーーーー
鼻を鳴らして手に抱える服とご主人様を交互に見る。
いくら嗅ぎたくてもご主人様が「よし」というまでは何もできない家畜。
「だめだ」
きっぱりとご主人様に言われて、しゅん…とすると同時にその仕打ちに蕩ける変態。
車は簡易の檻(ホテル)へ向かっている。
ご主人様は先の記事でも書いた通り、とてもお忙しくて
「結局昨日、風呂も入ってないんだよね~」と呟かれて…
凛はその言葉で「ああ、本当にご主人様大変な最中に申し訳ないなぁ…」と感謝すると共に
ご奉仕の時にたっぷりとご主人様の匂いが嗅げる幸せに、ドキドキが高まっていく。
匂いは記憶だから。
しっかりと脳に刻み付けて。
もし、凛が壊れてしまっても「ご主人様」を間違わないように。
そして「今」という時間の中で、目の前のご主人様をしっかりと満喫する。
簡易の檻で靴を脱ぐのにもたついていた凛を
ご主人様が引っ張りにきて下さった。
ご主人様が「凛を早く使いたい」と言ってくださっている!!!!!!
その引く手の強さでわかる。
それだけで涙がじわっと滲み出す。
嬉しくて…
ご主人様の支配が嬉しくて…
凛はそこから前のめりにご主人様に繋がれて床に座り、ベッドに腰かけるご主人様を見る。
いつもの定位置。ご主人様の足元。
とても落ち着く。
そして凛の視線はご主人様の「強烈な」匂いのする方へ。
凛は鼻を鳴らして、ご主人様に縋りついた。